■Vol.003:『目』の健康について■

 近年人が発明した道具の中でも、『メガネ』ほど人々の生活を補助した道具はないでしょう。昔から人々の悩みの種だったのが、視力の低下や『目』の病気だったといえます。そして発展する人々の生活スタイルの中で、眼病もまた広域に及んでいます。
 そこで今回は『目』の健康についてのポイントを、簡単に皆様にお知らせいたします。
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目の機能 目の病気 VDT症候群について 目の疲れに効く体操 目の健康に関するリンク集

■目の機能■
 外の情報の約80%以上を収集する感覚器といわれる『目』の機能は、時として高性能カメラにたとえられることがあります。逆に言えば、カメラは『目』をお手本に作られたとも言えるでしょう。
 そんな『目』には大まかに以下のような部位と機能があります。

角膜: 黒目の部分にある透明な膜。いわば光を通す窓の部分。
強膜、結膜: 眼球のいちばん外側を覆っているのが強膜。その上とまぶたの裏側に、結膜という薄い透明な膜が張っている。
瞳孔: 黒目の真ん中の「ひとみ」の部分。暗いところでは大きく、明るいところでは小さくなる。
虹彩: 瞳孔を囲む放射線状の部分。縮んだり伸びたりすることで、瞳孔の大きさを変えて、目に入る光の量 を調節している。
水晶体: 目の中にある透明なレンズ。光を屈折させて、近くを見るときにピントを調節する役割がある。
網膜: 眼球のいちばん内側を覆っている薄い膜で、外の光がここに像を結ぶことで、ものが見える。
毛様体筋: 水晶体を支えている筋肉で、緩んだり縮んだりすることで、水晶体の厚みを変化させ、調節を行っている。
視神経: 網膜に映し出された情報を脳に送る通り道。
硝子体: 透明なゼリー状の組織で、目の形を保っている。

 この中の『網膜』は光を像としてとらえるという最も重要な役割を果たしている部分で、その中でも特に「黄斑部」は色を識別できる視細胞「錐体」が集中している部分でもあります。
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■目の病気■
 ふだんの生活ではなかなか気が付かないほど高性能な『目』ですが、それ故に以下のような様々な病気で突然その大切さに気付かされることもあります。

緑内障: 眼圧が高くなって視神経が圧迫され、視神経萎縮(視野が狭くなる)を起こす病気。失われた視野は回復不可能で、早期発見早期治療を行うことがポイントとされる。
白内障: 目の中でレンズの役割をしている透明な水晶体が濁り視力低下していく病気。
糖尿病網膜症: 糖尿病網膜症は、腎症、神経症と共に糖尿病の3大合併症の1つとされ、成人の中途失明(生まれつきでない失明)の原因の第1位となっている。本人が気づかないうちに進行し、急速な視力低下等の自覚症状が現れるころには深刻な状態になっていることが多い点で、自覚症状がなくても定期的に眼底検査を受け、適切な治療を受けることが大切です。
網膜剥離: 「小さな虫のようなものが目の前にちらついて見える(飛蚊症)」「目のはじのほうに稲光のような光が見える(光視症)」などの症状が前兆でみられ、視力低下が起こり失明に至ることもある病気。早期発見早期治療を行うことがポイントとされる。
ドライアイ: 涙の量が少なくなることにより、目の表面(角膜、結膜)を十分に保護できなくなる病気。「目が乾く」「疲れやすい」「ショボショボする」「充血する」などの症状の他、「涙っぽくなる」こともある。また全身疾患との関連性も指摘されている。
VDT症候群: ディスプレイ作業にかかわる人の視覚障害。別名テクノストレス眼症。眼精疲労をはじめとするさまざまな目のトラブルを引き起こすし、深刻な目の病気へと発展する可能性があるといわれる。

 早期発見早期治療を心がけるには、まず自分たちの生活環境を見直し、その上で異常に気付けばすぐに検査をしてもらうようにしましょう。また定期的に検査することも重要です。
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■VDT症候群について■
 『目の病気』で先述しましたが、近年コンピュータ・ワープロ・テレビゲームなどの長時間利用によるストレス症状を訴える人が急増して問題となっています。まさに現代病といえますが、つい先頃、厚生労働省より『新VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン策定』について発表がありました。
 今後増えるであろう『VDT症候群』にならないためにも、以下のポイントに気を付けて生活をしましょう。

作業時間: 厚生労働省のガイドラインによると1日2時間〜4時間以上ディスプレイを見続ける作業をする場合には注意が必要とあります。また、作業中には必ず体操や少し外の空気を吸うように心がけましょう。職場や学校のように拘束された環境ではなかなか難しいですが、事業者側の意識も今後変化してくるはずです。それまでは何であれ、作業が辛い場合は必ず10〜15分ほど休むようにしましょう。またメガネがなく、コンタクトレンズで長時間作業を行うときは「目の乾き」などに注意して専用の目薬で予防しましょう。
作業姿勢: 椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とし、十分な広さをもち、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えるといいでしょう。またディスプレイとおおむね40cm以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて適切な眼鏡による矯正を行います。この場合、目線より下にディスプレイがくるように心がけます。更に入力機器などもなるだけ下方にもってくるようにします。そして外の光や照明がディスプレイや目に直接当たらないような位置関係を保ちましょう。
定期健康診断: なかなかできないのが「定期健康診断」ですが、やはり日頃からの健康管理は非常に重要です。特に一般的に行われる「内科的検査」の他にも「眼科学的検査」「筋骨格系に関する検査(肩こり・しびれ等)」はなるだけ定期的に行うようにしましょう。全ての病気やその原因の早期発見の糸口となるからです。また普段わざわざ病院までいかない些細な症状でも医師に相談する機会にもなります。
相談: 最近特に長時間の仕事や作業により、自分の知らない内に心的ストレスがたまり、VDT症候群へとつながる恐れも示唆されています。職場や学校でも、周囲の信頼できる人に悩み事などを相談したりするよう心がけましょう。また精神的にまいってきたと感じる方や、相談する人がみつからないと感じる方は、自分自身で悩まず、早めに精神科医や心療内科医などのプロへご相談されたり、カウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。

 自覚しにくい病気ですので、今のところまず普段からの食生活・生活環境をしっかり考えて、体調に異変を感じたら早めに病院へ行ったり人に相談したりといった自衛策を自主的に行っていかなければなりません。
 こうして今画面を見ているみなさんも充分にお気をつけ下さい。これからの時代、自分たちで行う危機健康管理が非常に重要です。
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■目の疲れに効く体操■
 仕事中などに目が疲れてきたと感じる時は、すぐにできるマッサージを行いましょう。今この画面を見ている人も是非お試し下さい。

その1: まず、眉頭の生え際のあたり、つまり鼻の付け根部分を、軽い痛みを感じる程度に5秒ほど押します。
その2: そのまま、眉頭から眉尻までを、骨のくぼみに沿って少し強めに押していきます。
その3: 眉尻まで来たら、そこをまた5秒ほど押して、最後に、こめかみの部分をゆっくりと押します。
その4: 目の下の骨の部分を、目頭から目尻の方へ、人差し指と中指で「グリ」という感じで円を描くようにマッサージしていきます。
その5: 以上(1〜4)を2回から3回繰り返した後、耳たぶの中央をゆっくり繰り返し押して刺激しましょう。

 いかがでしょうか?少し目が楽になったのではないでしょうか?連続の作業時には、この体操を一日に数回繰り返すことにより、眼的ストレスが緩和されます。また、用意ができる場合は暖かいおしぼりを瞼の上から当ててマッサージすると更に効果的です。
 しかしよく疲れ目の時に目をゴシゴシこする方がいらっしゃいますが、これは目蓋に炎症など起しやすく、眼の病気にかかっているときに刺激を加えると悪化したり、バイキン感染などの恐れがありますので、直接刺激することはなるだけひかえるよう心がけましょう。

 将来、更にこうした電化製品や機器に囲まれた生活になっていくでしょうが、人の体はそう簡単に変化しません。改めて皆様も自分自身の健康には充分注意してお過ごしください。
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■目の健康に関するリンク集■
○ひとみ学園
○目と健康シリーズ
○Ocular.net / 眼の情報を提供するWebSite
○Dr.MeMe の おめめ講座
○Medama Cafe
○EYE-HOMEPAGE
○VDT症候群から目を守ろう。
○現代における目の病気〜パソコン、VDTの危険性〜
○参天製薬 目の健康
○中京眼科グループ
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